ひとつの国になる時

by lisa shouda

Photo by Lisa Shouda

わたしが特に研究している時代の地球の特徴。
ひとつ挙げるならば、まだ”国”という概念によって分裂していたこと。

「ひとつの連合なのか、国が複数あるかでその文明の進歩の度合いがわかる。」

…研究者やパイロットの先輩に教わった。

(わたしたちの定義でいうところの)家族を国で分けるなんていうさっぱり役に立たないシステムがどうして続いたのかというと、
国という”概念”を補強する考えが人々に広まったことに依る。

特に自分の国が優れていて「絶対」だと考えた…いや”考えたかった”者が少なからずいたということだ。

国が存続するのはほんの数十年や数百年、
見方次第で多めに見積もってもたったの数千年。
…その頃は人間の肉体が長くても100年間持つか持たないか、なので
300年や2000年を充分、長期間と感じたのだ。(時空をリニアに捉えた場合)

取引や競争も国を単位に行われるようになり、
それが更に国々が「絶対」かつ「確か」に存在するかのように概念を補強した。

例えば、
「国の代表」としてスポーツで競う…なんてことが公然と行われた!
地球上のみんなで協力するイベント。
謳い文句は美しいけれど…肝心なところを見落としていたんだ。
「国」同士で競う形をとったので、
なおさら
“世界は国で分かれている”
…という概念を補強する助けになってしまっていた。

(平和の祭典とさえ呼ぶ人々がいたのは皮肉だなあ。
自分の国の代表が勝てば「我々が勝った」と言い、
負ければ「お前が負けた」と言うのだから。)

もちろん、後に”競争”や”勝ち負けを決める活動”は古びてゆくのだけれど。
− ただ楽しみのために精神と身体が一体となり表現する!
喜びと愛を観客は受け取る神秘で美しいイベント… わたしも一度観に行ったことがある。

この惑星の表面には、国はひとつ。
それが最もみんなの役に立つのだと気付いた人々は、
世界政府を組織しようと試みた。
幾度かの失敗から、彼らは学んだ。

やがて同じ考えを共有する人が増えてゆき…
わたしたちが交流する文明すべてがそうであるように、
地球の全ての国がひとつの国となる進歩を遂げた!

この素晴らしい進歩にも、やはり痛みを感じる者もいたみたい。

国をアイデンティティの拠りどころとした者、
国という垣根がとっぱらわれると自分たちの富が減ってしまうのではないかと心配する者、
この惑星がひとつとなり様々が明らかになれば、ひた隠しにしていた物事が露呈してしまうと恐れる者。

…こういった人々の抵抗は弱くなかったが、
世界の仕組みが理解されるに従い、彼らの「恐れ」は溶けてゆく。

地面や海洋や空中までをも細切れにしていた国境は…かつての彼らにとっての”州”だとか”県”にあたるように再定義した。

概念が「国」ではなくなっても、地域を示す名前は便利だからね。
わたしたちも便宜的に地名を使う機会があるし、古代の地球にちなんだ地名もある!

こういうレベルの意識のシフトはとてもドラマティックなので(ほんとうに!)
「目撃したい」「参加したい」「貢献したい」
そんな好奇心と愛の存在が数多くこの時代の地球へ生まれた。

なんておもしろいのだろう!
だって、わたしもその経験と繋がっているのだから!


[My Instagram]
[My Facebook]

You may also like