おなじ服をどんどん着る

by lisa shouda

同じ服を週に何回も着る。

気に入っている服をどんどん着る。
洗濯が済めばすぐに着る。

わざわざこんなことを書くのはなぜか。

もともと同じ服装をするのにに抵抗がない人からすれば馬鹿馬鹿しいだろうが、
過去のわたしは
同じ服を何度も着たくなかったのだ。

世界を震撼させる怪奇現象

「このブラウスは気に入っているけど、3日前に着たばかりだから
別のカットソーにしよう」

「先週〇〇ちゃんに会うときにもこのスカートだった気がするから、
今日は別の服にしなくゃ〜」

その日着る服にいちいち気をもんで
クローゼットの前に立ち尽くしていた。
10分間で済めば上出来で、30分も40分も取っ替え引っ替え着替え続けた挙句
今日着る服、
いや
見られるのにふさわしい服なんてここにはないと信じ込んだ。

これぞ、世界中で数百万人を震撼させているであろう(勝手!)
恐怖!!!
「クローゼットがパンパンなのに着る服がない怪奇現象」
だ。

この怪奇現象はあなたの家でも、お隣さんでもほぼ毎日のように起こっているかもしれない。
恐ろしや恐ろしや…

一週間、同じ服を着続けた人

Morgan Greenwaldさんは彼女自身が他人の服装を参考に自分のワードローブに加える必要がある服を決めるのが好きで、他人が着る服に気づく傾向があるため、他人もまた彼女と同じだと考えていた。

ある週の平日、5日間同じ服を着て出勤する実験を実施した。

3日目、人事部に呼び出され
「衛生面が欠如している(不潔だ)と職場の人々が文句を言っている」と告げられたら…
という筋書きすら想像した。
が!

実験最終日の5日目、ついに同僚たちにこの実験について話したところ
彼女がこの一週間同じ服装をして出勤していたとは
誰ひとり、全く!気づいていなかった。
一日中ともに働く上司ですら。

Greenwaldさんの結論はこうだ。

私たちは他人が思うよりもずっと自分がどう見えるのかを気にしているのだ、と思い出そう。
丸一週間、周りの人が私のことをどう考えているのか心配していたけれど、実際のところその間彼らは何も考えていなかったのだ。
真相はというと、
私の大きな不安は頭の中で描いた誤った筋書きの自分の見た目について、自信がないことから来ていた。
これってまったく時間とエネルギーの無駄!

Remember, we care way more about how we look than other people do. I spent the entire week worrying about what people were thinking about me when, in reality, they weren’t thinking anything. The truth is, so much of my anxiety was coming from my own insecurities about my looks that I created false scenarios in my head. It’s a total waste of time and energy!


I Wore The Same Outfit For A Week And Even My Boyfriend Didn’t Notice

ちなみに元記事のタイトルは「わたし一週間同じ服着たが彼氏すら気づかなかった件」
…彼氏すら!\(^_^)/

さらに強者!一年間(!)同じ服を着続けた人

上には上がいらっしゃる!

あふれんばかりのクローゼットを前に
「着る服がない」
と感じた彼女。
不動産業界で働くRenata Briggmanさんは思い切って職場に同じ服を丸一年間着続けることにした。
つまり自分だけのユニフォームを導入した。
同じグレーのジャケット、同じブラックパンツ、白いシャツに黒いパンプス。
時折、赤いベルト。冬にはパンプスの代わりにブーツを身につけるも、
基本毎日同じジャケットとパンツ。

彼女はインタビューにこう答えている。

「誰も(私が同じ服を毎日着ていることに)気が付かなかった」
「一人だけ、私がよく赤いベルトをしているのに気付いた同僚はこう言ったの。
“あなたは赤いベルトをあらゆるコーディネートに合わせられる唯一の人だね” って。」
「私は “本当に、そう思うの?だって私は同じ格好を毎日しているから”って思った。」

“Nobody noticed,” Briggman says. “One person noticed that I wear a red belt all the time. One of my coworkers was like ‘You are the only person who knows how to wear a red belt with different outfits all the time,’” Briggman says. “I thought ‘Are you sure that’s true? Because I wear the same thing every day.’”


Take a Look at the Outfit This DC Woman Has Worn Every Day This Year

着る服がない!ループ


「クローゼットがパンパンなのに着る服がない怪奇現象」
を起こすのは一体、何なのだろう?

毎シーズンそこそこな服を、そこそこの数買い足す

そんなに気に入ってない服は気分が乗らない

あまり着ない

結局、お気に入りはほんの数着

かといって、お気に入りばかり着ると
同じ服ばかりと他人に思われる

着る服がない!

新しく服を買う

服が増える

お気に入りじゃなくてもバリエーションとしてとっておきたい

あまり処分しない

クローゼットがパンパン

《リピート》
結局、お気に入りはほんの数着

かといって、お気に入りばかり着ると
同じ服ばかりと他人に思われる

着る服がない!
(以下、続く)


…なんなんだこのループ!!!
着る気になるのがお気に入りの服なら、もうそれだけ着てみたら?

質問を変える。

…ループはどうして続くのだろう?

同じ服ばかり着ていると
服を買うお金がないと思われるかもしれない?

「ワンパターン」はNGって思い込んでいた?
なぜ?
つまらないから?
たくさんのバリエーションがないと“おしゃれ”じゃないと思われるから?
そもそも、おしゃれってなんだ?結局、主観でしかないのに…

ティーンエイジャーの頃に大好きだったファッション誌でも
同じコーディネートを着続けよう!と推奨する特集なんて見たことがない。
限られた予算の中で購入した服を同じ印象に見せないよう知恵を絞り、
着回し30days的な特集なら太字で表紙に謳っている。
着回しはクリエイティブな試みだと思うし、否定する気は毛頭ない。
でも、なぜ同じではなく違う印象に見せたいのか?

何と競っているのだろう?


いま、わたしはどういう人でいよう?

ゆるく着ています

自分に
いつ、どこで、どの服装をしてもOK!
の許可を出した。

楽になった!

上に挙げたGreenwaldさんの実験が物語るように
自分が他人の服装をチェックするからといって、
他人が同じように自分の服装をチェックしているとは限らない。
いちばん気にしているのはだいたいの場合、本人だ。

それに、会う人の誰かから毎度同じ服ばかり着ていると思われてもよい。
例えば明日同僚のひとりに「また同じ服だ…」だとか判断されたからって
この世界がどうなってしまうというのだろう?

とはいえ、
Briggmanさんや、スティーブジョブズさんや、有名ミニマリストたちのように
特にユニフォームを決めてはいないし、いま住む街は気温差が大きくて当面ユニフォーム導入の予定もない。
ただゆるく、どの服装もOKなだけ。(自分基準で清潔であれば!)
お気に入りに手が伸びるなら、手が伸びるままに任せる。

ループにどっぷりはまっていたのは20代前半がピークで、もう10年も前のこと。
今となっては歳(とし)だから…と言ってしまえるかもしれない。
ただわたしは「歳」は一因であっても、全てを「歳」では片付けたくないのだ。
傾向はあっても個々人をみていけば、傾向から外れた例外だらけだから。

今日はすーーーーっごく好きな、(自分で似合うと信じている)
カーディガンのボタンを全て閉じて着る。
体型にぴったりなデニムパンツと。

前に同じコーディネートをしたのは
2日前かもしれないし、5日前だったかもしれない。

正直覚えていない。

いま、この服がお気に入り。

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