作り話

by lisa shouda

その惑星には

森があった
川があった
きのこに鉱物に
虫にどうぶつに

ヒトもいたが
ホモ・サピエンスでは
なかったかもしれない

2つの月がまわる美しい惑星だった

ヒトは賢く優しくかったが
やがて自分達の能力の大部分を忘れていった

ヒトは科学技術を発達させ
暮らしに役立てた

自分たちの手による豊かさに
浮き足だっていた

バランスを忘れたヒトは
大気や水を汚していった

どうぶつの言うことが
わからなくなっていたので
惑星の仲間が阿鼻叫喚していても
聞こえないようだった

ある者は言った

ヒトも自然の一部なのだから
ヒトがやることも作るものも自然なのだ

彼は間違ってはいなかったし
惑星はその声を聴いていた

彼は泥水を飲んだことがなかった

疫病が流行り
飢餓が殺し
火は広がり
水は空から海から襲うようだった

ヒトは気がついたが
バランスをとりもどすには
時は遅かった

惑星から逃げ出そうにも
せっかくの科学技術は退化し
スペースシップは役立たずだった

子ども達が生きられなくなって間もなく
惑星からヒトの影が消えた










静かだった

ヒトが消えても
森は戻らなかった
川は干上がったままだった
虫たちさえ卵をかえせなかった


惑星はいまも静かに
土埃をたたえている
それがあの者の言った自然の景色だったのか








これは地球の話ではない

地球にも似通った歴史はあるが
それは今問題ではない

作り話をたれが問題にしよう

どうせ作り話なんならば
こんなのはどうだろう

その惑星のヒトの中には
やり直したい者がいた
平和を選ぶと決めた者がいた

鳥が唄わない土埃の自然でなく
森のある自然を

こんどはみんなで選びたい

チャンスをくれたのは
地球だった

憶いだせるように
地球からは
ああ
静かな惑星がみえる


Love for Mother Earth
Love for all of us
Thank you for your unconditional supports

Love,
Lisa

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