この惑星へ地球の先祖がやってきたならば。
彼が
「原始人の村に来た気がしたが、
ここはどうやら進化した惑星らしいぞ」
と気付くのは…
そうだな。
上空に宇宙船がたくさん飛び交うのを見て。
彼は
「見覚えがあるぞ!前に湖へドライブへ出かけた時に見たUFOだ!
やっぱりあれは見間違いじゃなかったんだ…」
なんて言う。
宇宙船は人々に”見られる”ため、惑星へ出かける仕事もするから
地球でもあちこちで”UFO”は目撃されていた。
そう、”UFO”つまり未確認飛行物体と呼ばれていた頃のこと。
彼も目撃者のひとりってわけだ。
目撃者の反応はさまざま。
恐ろしくなり走って逃げだす人、
宇宙船が発する光とエネルギーに圧倒され立ち尽くす人、
忙しい心にとらわれ目撃したことすら忘れる人、
純粋にメッセージを受け取る人…
特に地球の人々が科学をすごいスピードで発達させていった頃、
科学の力をみんなの幸せに役立てようとする科学者もたくさんいたいっぽう…
自らの家族を殺す武器を作り出し、より多くの苦しみと殺戮を繰り広げる選択をしたために
文字通り自己破壊の道へほとんど進んでいったようだった。
この時期はとくに”見られる”仕事を盛んにやったよ。
宇宙には君たちの他にも知的生命体はいるのだよ、と遠くから知らせるために。
あくまでも遠くから、ね。
われわれが発する友好的な愛のメッセージを敏感に受け取る者は増えてゆく。
その証拠に
彼らがサイエンス・フィクションに描く地球外生命体も
地球を侵略しにくる邪悪な姿から
友好的にコミュニケーションを申し出る友人であり先輩のような姿へと進む。(ちょうど、われわれのような…)
宇宙同盟の仲間たちがコンタクトする未発達の社会は
それぞれの方法で、かつ似た過程をたどる。
かつての地球もそうだ。
地球上の何度目かの自己破壊のあと、ついについに回避した!
–
さて、話をもどそう。
時空を経てやって来た地球の彼は宇宙船が担ういろんな仕事の見学をゆるされる。
たとえば、調査や、コンタクトや、時に救済の仕事…
宇宙船がどんなものか、何をしているのか“確認”したあかつきには
UFO(未確認飛行物体)から
FO (Flying Object = 飛行物体)と呼び名を改めたって。